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水虫と糖尿病の関係性

糖尿病は単純にインスリンが効きにくい、血糖値が高いことが問題になる疾患ではありません。
高血糖による糖化反応により網膜症や腎症、神経障害を合併症として引き起こすことが最大の問題です。
このうち神経障害は自律神経や感覚神経に主に生じますが、特に細い神経や長い神経の終末端に障害を高頻度に示すため、人体最長の神経である足の感覚神経に真っ先に障害がでます。

この神経障害はただ感覚が無い、ということだけが問題になるわけではありません。
感覚が喪失している場合、知らぬ間に釘などを踏んで足に傷が出来ていたとしてもそれに気が付かないのです。
するとどうなるかというと知らずにできた傷のケアをしないために感染や出血が進行する、という事態が起きます。
気づかぬままに足の組織が壊疽している、という事態も糖尿病患者ではまれにあることです。
これが感染と糖尿病の関係性です。

特に糖尿病患者では好中球などの顆粒球による免疫力が低下していますので、炎症性サイトカインなどのメディエーターに対しても反応性が低下しています。
人体最大の警報であるサイトカインでも免疫システムが活性化しないのですから、気づいたからと言って感染や壊疽を阻止することは自力では出来ません。
免疫的に無防備なので、最悪の場合は体幹部への感染拡大を防ぐために足を切断することになります。
最悪切断に至った場合、歩行機能などが著しく損なわれますので生活の質が大幅に下がることでしょう。

また、末梢の自律神経も障害されているために発汗が少ないことも感染を助長します。
創傷が無くても感染する水虫を抱えている患者さんは少なからずいます。
皮膚表面での発汗がほぼ無いという状態が水虫の繁殖を抑える液性免疫力の欠如、というバリア不十分である無防備な状態を意味するため、通常の状態よりも水虫の進行が早いのです。
加えて、腎症を合併した場合は薬剤代謝機能の低下のために強い抗真菌薬を使えない、使った場合も副作用が著明になってしまうという治療上の問題もあります。

糖尿病は様々な二次的症状の発症と関係があります。
水虫はその一例に過ぎませんので、まずは糖尿病性の神経障害を進行させない、進行してしまった場合は感覚が薄れている末梢ほどケアを欠かさないことが重要です。

糖尿病を改善する方法とは?

糖尿病はヘモグロビンA1cという値によって評価されますが、最大の論点となるのは血糖値が高い状態が持続していること、ひいてはインスリンが十全に作用していないことです。
糖尿病の改善、合併症の進行阻止を目的にする場合、食後および空腹時血糖を基準値上限くらいまで下げることを考えなくてはなりません。

軽症例であれば食事、運動療法が有効ですので栄養指導に従った食事によりまず肥満の改善やインスリンの作用改善を目論見ます。
この程度で改善するほどの糖尿病であれば腎症や神経障害などの合併症も軽微でしょうから、足を切断しなくてはならない、という不測の事態にはならないでしょうが、一度糖尿病と診断された以上は気を付けなければ進行し、最悪の場合は神経障害を引き起こすリスクがあることを理解しなくてはなりません。

ある一定の症状よりも深刻な糖尿病は専ら薬物治療を行います。
最もメジャーなのが外用性インスリン製剤であり、腹壁や腕部に注射することで減少してしまったインスリン産生を補います。
他にもスルホニルウレア剤という内因性インスリンを高める薬、インスリンが効きやすくする薬、糖の吸収を選択的に阻害する薬などがあります。
どの薬があっているか、ということに関しても人それぞれ異なりますので、様々な薬剤と生活パターンを考えつつ長く付き合っていくことが糖尿病患者にどうしても必要になってくることです。

糖尿病は代謝疾患ですので、外科的治療さえすれば治ってしまう他の疾患と比べても長く付き合っていく必要があります。
様々な合併症の不安は付きまといますが治療のために生きる生活を送るのではなく、血糖値に気を付けつつ楽しい生活を送ることが何より重要です。